第二回 三代目の今市くんも職人だった!
こんにちは。アールK建築の見習い社員のアールです。
最近、周りにいる職人さんが着ているものが気になって気になって仕方ありません。
あのダボダボのズボンや地下足袋、タオルのハチマキ、肩口から腕をむき出しにした職人さんのスタイルって、
よく見ると不思議なかっこですよね。でも、なんだか男の仕事っていう感じで、もしかしたらかっこいいのかなーなんて思ったりもするのです。
そういえば三代目Jソウルブラザーズの今市くんもデビュー前は職人さんだったそうで、
ちょっと調べて見たら、まだまだやんちゃだった今市くんの雰囲気に職人の姿がすごくマッチして、似合うんですよねー、これが。やっぱり前からかっこいいんだなー。
ケミストリーの川畑要くんも、デビュー前は職人さんだったそうで、昔の写真いい感じでしたよ。
これは中身(着ている人)がいいのか、着ているものがいいのか、両方が合わさって格好良さ倍増なのか(多分中身?)。
(出典:http://laughy.jp/item/56f1ed5e45cea3923394e615)
何年か前にアメリカのロックバンドエアロスミスが来日したときに、
日本の職人さんが着ているダボダボのズボンと地下足袋のかっこよさに感動して、
帰国する時に大量に買っていったという話もあるから、もしかしたら国際的に通用するファッションなのかもね。
そこで、今回の「The職人」では、職人さんの“ファッション”について調べてみました。
へーっとか、なるほどっ!て思える内容もたくさんあって、きっと面白いと思いますので是非読んでくださいね。
ニッカポッカとは?
職人さんが着ている足元がキュッと締まったダボダボのシルエットのズボンはニッカポッカ、ニッカズボンなどと言うんだそうです。
語源はニッカーボッカーズ(knicker bockers)。オランダの男の子の服が元祖でアメリカでは
今でもオランダ系移民の人たちのことをニッカーボッカー(knicker bocker)と言うんだって。
そのニッカーボッカーズが普及したのは150年くらい前に自転車が流行ったとき。
その機能性が注目され、その後主にお金持ちのスポーツウェア(ゴルフ、乗馬、登山など)として発展し
軍服や野球のユニフォームにも影響したそうです。
(そう言えばイチロー選手のユニフォームって元祖がニッカーポッカって言われたらそんな気もするかも。)
日本の職人さんの中では建築現場の足場を組む作業などをする鳶(とび)職人が初めに履いたらしく、
その後“これはいい、使える!”と他の職人さんにも広がったようです。
一見ジャマになるのではないかと思えるあのダボダボも実はすごく役にたっているんだって。
❶ 高い足場に登ったりするときに大きく足を開いたり無理な体勢をとっても生地が肌にまとわりつかず動きやすい。足さばきが楽!
❷ 溶接をする際やペンキを塗る際に、ぴったりした作業ズボンに比較して溶けた金属や塗料がはねても直接肌に触れないようにでき
る!また夏場などに熱くなった釘や金属から肌を守ることができる!
❸ 足首からふくらはぎのあたり絞ってあるので、足元に置いてある工具や材料を誤って引っ掛けることを防止できる。
❹ 高い所で作業をするときに風の強さを測る風速計の役割をする。あのダボダボの部分が風を受けバタバタするとどのくらいの風が吹いているかが分かる。
❺ 狭いところを通るときに、出っ張ったところや、とんがったものがわかるので事故や怪我を防止できる。猫のヒゲ的な役割をする。
「寅壱」の超超ロングが人気
ニッカポッカは、ニッカ、トビ、七分、八分といった名前でも呼ばれているそうです。
徐々に丈が長いものが好まれるようになっているようで、ロング八分、超ロング、スーパーロング、
超超ロング、超超超ロング、四超ロングなども売られているようですが、今は超超ロングと言われるものが流行っているようです。
うちの社長はマチ付きの大きなポケットが付いた、いわゆるカーゴパンツタイプの作業ズボン(カーゴニッカ)を履いています。
左のポケットにはカレンダー付きの手帳、右のポケットには忘れてはいけないことをすぐに書きとめられるようメモ帳を入れています。
カーゴパンツといっても普通の洋服屋さんで売っているものとはちがって、とにかく丈夫なことが第一なのでワークマンなどの作業服専門店でまとめて購入するそうです。
ニッカポッカはだいたい2000円から3000円くらいが一番多いようですが、作業服にもブランドがあって、
一番有名なブランドは「虎壱」(とらいち)で値段も少々高め。
その他売れ筋のブランドとして、うちの社長が愛用している「只今参上」(ただいまさんじょう)、
「鳳凰」(ほうおう)、元プロ野球選手の新庄剛さんが広告に登場している「Jawin」(ジャウィン)
「BURTLE」(バートル)、「XEBEC」(ジーベック)などがあります。
ブリヂストンタイヤは地下足袋から始まった?
あと、あの地下足袋(じかたび)ってどうなの?何で今どき地下足袋なの?って思いません?
でも、職人さんによっては危険な足場などに上って作業をすることもあり、
そのようなときに威力を発揮するのはやっぱり地下足袋(じかたび)なんだって。
なんでも親指が独立したあの特殊なかたちが、地面や足場をつかんで歩くような微妙な動きができるからとても便利らしいです。
ふーん、そうなんだ。そこで地下足袋についても調べてみました。
この親指が別れた足袋という履物は、世界でも他にはない日本特有なものなのだそうです。
足袋(たび)ってもともとは室内履きですよね。だから表に出るときには草履(昔のサンダル?)などを履きます。
でもお祭りのときは足袋をはいてお神輿(みこし)を担ぐし、大昔の職人さんは革製の足袋を作って屋外作業で使ったりしていたそうです。
明治時代になって、日本にゴムが輸入され、石橋徳次郎さんという人が波型に加工したゴムを足袋の裏に縫い付けることを思いつき、
自らの会社「日本足袋」から屋外用足袋として発売したのが現在の地下足袋の始まりだそうです。
会社が福岡県の三池炭鉱の近くにあったので炭鉱で働く炭鉱夫さんに爆発的に売れ、石橋さんは特許もとったそうなので(きっと)大儲けしたんだろうなー。
現在のブリヂストンタイヤの創設者である石橋正次郎氏は、石橋徳次郎さんの弟です。
この時のゴムの加工技術をタイヤに応用しブリヂストンタイヤを作ったのだそうです。
(石=ストーン、橋=ブリッジ。これを逆に並べてブリッジ・ストーン→ブリヂストンというわけですね。)
今では各社からスニーカータイプ、エアーMAXのようなエアークッション入り、
和柄、迷彩柄など、そこまでやっちゃいますか?と思えるような、さまざまな地下足袋が発売されています。
うちの社長は大工なので中仕事が多く、お客様のお宅に上がらせていただくこともあるので、
普段は脱いだり履いたりが楽な普通のスニーカーのような靴を履いています。
また、地下足袋ではなく直足袋が本来の漢字だそうです。
今回の「The職人」では、僕がどうしても気になっていた職人さんの服装についてちょっと調べてみましたが、皆さんはいかがでしたか?
僕は、へーっとか、なるほどーって言うことばかりで、とても勉強になりました。
次回からも職人のことを少しでもご理解いただけるように、いろいろな情報を提供していきたいと思いますので、どうかお楽しみに!