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The 職人

第一回 ”お客様 vs. 職人” 座談会

第一回目は、お客様と職人の座談会です。「家」のことや「リフォーム」のことで、お互いの理解を深めるために、お客様と職人が座談会を行ったという話は聞いたことがありませんので、もしかすると日本で始めての試みかもしれません。

たった数時間の短い時間ですが、この座談会で、知らなかったお客様のことを理解したり、反対にお客様にも我々職人ことを少しでもご理解いただければ大変幸いです。

●というわけで、以下にその座談会の模様を多少の編集を加えてご報告します。

●参加者のご紹介

※敬称略。できるだけ分かりやすくするためにアールくんという当社のキャラクターを参加させていただきました。

<お客様代表>

馬場様(逗子市在住)

現役時代には会社を経営。顔の広さと人を見る確かな目はさすが。
これまで多数のお客様をご紹介いただいています。

 

石原様(鎌倉市在住)

3人のお子様の優しいお父様と海外を飛び回る多忙なお仕事を両立。「山小屋風」新築一戸建てをご依頼いただきました。

 

<「職人」代表>

アールくん。

(アールK建築の新メンバー(見習い社員)です。旺盛な好奇心によるご無礼何卒ご容赦ください。)

大崎健太郎(KWM代表)

自らの仕事の品質と顧客の満足に対して強いこだわりとプライドを持つ。妥協することを嫌い「職人」の本質を追求中。

神成利行(アールK建築代表取締役社長)父親仕込みの高い技術と

ぶれることのない顧客中心の信念で顧客のために生涯を送るという”天命”のために日々精進中。

​於 居酒屋 あじたろう 鎌倉店

 

知り合いに「職人」さんがいなければ、”とりえずインターネット”しかない

アール:皆さん、アールK建築のアールです。本日はいろいろ教えてください。

馬場さんと石原さんに質問です。皆さんはリフォームをしたいときにリフォームの会社や職人さんをどうやって見つけるのですか?

馬場:そうだね。今はたくさんリフォームの会社や大工さんがいるんだけど、どの会社やどの大工さんが安くて、こちらの思い通りのリフォームをしてくれるかわからないんだよね。だから今だったらインターネットを使っていろんな会社のホームページなどを見て、自分でよさそうな会社や大工さんを選ぶ人が多いと思うな。

アール:石原さんは?

石原:僕は神成さんに家を建ててもらったんだけど、神成さんに決定したのは奥さんだったからどうやって選んだかはわからないな。でも、知っているリフォーム会社や大工さんがいなかったらやっぱりインターネットだろうね。それにインターネットで調べると、他のお客さんのコメントで、その会社がきちんと仕事をやってくれるかどうかを見ることができることもあるから、そういった情報も参考にするんじゃないかな。

馬場:僕の場合はインターネットでいくつか選んだら、いきなりその人たちに頼むんじゃなくて、まず一番大事な値段を聞くんだ。それで大体いくらくらいなのかを調べるね。そうしないと会社によっては全然違う金額だったりするから、普通より高い金額を払うようなことにもなっちゃうからね。

アール:えーそうなんですか?そんなこと実際にあったの?

馬場:あったよー。知り合いの人がリフォームをするって言うんで、この神成さんとよその会社の人を呼んできて、いくらかかりますかって聞いたことがあったんだ。

そしたら全然違う金額で、神成さんの方がずっと安かったから神成さんに決めたんだけどね。

アール:へーそうなんだ。でもいくら安くてもちゃんとやってくれない場合もあるんじゃないですか?

馬場:こら、アールくん、自分の会社の社長が安いだけでちゃんとできないみたいに聞こえるぞ。

アール:えっ違いますよ、一般論ですよ一般論。

馬場:神成さんは以前僕の家のリフォームをお願いしたことがあって、すごくいい「職人」さんだと思ったんだ。それで絶対大丈夫って知っていたからその人に、この「職人」さんはおすすめですよって教えてあげたんだ。

 

アール:ふーん。何もしなくても新しいお客さんにおすすめしてもらえるなんて「職人」さんって面白そうだなぁ。

「職人」の面白味(=大変さ=お客様から信頼されること)

馬場:そのあたりのことは「職人」の神成さんに聞いてみよう。どうですか、神成さん?「職人」はどのあたりが面白いんですか?

神成:そうですね。例えばお客様と長いお付き合いになるとそのご家族の歴史・お子様の成長などを体感しながら、そのご家族の「愛着のある家」に関わらせていただく事の喜び!これは「職人」は技術だけではないということですよ。

馬場:「家」の修繕や改修工事を通じて、そのご家族の歴史が作られて行くのを間近で目撃できる訳ですよね。なんだか壮大なスケールを感じるなぁ。でも誰でもそうなれる訳ではないでしょ?

神成:その家の歴史に関わるのですから、お客様とは遠慮なしに何でも話していただけるような間柄を築き、それには自分も成長し一人の人間としても向上し続けることが必要だと思います。自分は常にそうなれるように努力していますよ。

馬場:それではいくら大工としての技術があっても、それだけではお客様から信頼してもらえる「職人」にはなれないってことですか?

神成:「職人」として、それができなければお客様の信頼もいただけず長いお付き合いやそのお客様から別のお客様のご紹介などないと思いますね。大げさに聞こえるかもしれませんが「職人」に必要なのは技術だけではなく、家を通じてお客様と一緒に成長し、お客様と人生を一緒に歩み、歴史を作るお手伝いをすることだと思います。だから「職人」は面白いんです。

広告で感じる安心感は「大きな会社だから」「聞いたことがあるから」?

アール:大きな会社は高いって本当?

大崎:全部が全部そうじゃないけど、大きな会社だと大工さん以外に営業マンがいたり、会社のビルやショウルームがあったり、お店がある場合はその家賃だとか、接客担当のきれいな女の人やあとはテレビコマーシャルや広告にお金を使っていたりするから、そういうお金をどこかで稼いでこないといけないから高くなることもあるっていうことだよ。

アール:だったらみんな大きな会社に頼むのやめたほうがいいんじゃないの?

大崎:でも大工さんに知り合いがいない人は、駅前に立派なお店がある会社だったり広告を見て、有名な会社だし、これだけ大きくて立派な会社なら大丈夫だろうって思うんだろうね。

アール:ふーん、大きいと大丈夫なの?

馬場:そうだねー。あれだけ大きいビルなんだからきっとすごくたくさんのお客さんがリフォームや家を建てたりすることを頼んで、お金が儲かったから大きなビルを建てたんだろう、たくさんの人が頼むんだからきっと大丈夫なんだろうって思うんじゃないのかな。

石原:あとは大きな会社はよく広告などで、ユニットバス定価の50%引きなんてかいてありますよね。だから安いのかなって思う人もいそうですね。

アール:そんなに安いの?なんでそんなに安いの?

よくある”大幅値引き”、”定価の○○%引き”には裏がある

神成:大きな会社は広告も広い範囲にたくさん配ったりするし、大工さんも大勢いるはずだから仕事を頼むお客さんも多いんだろうし、実際に頼まれても仕事を受けられるんだろうね。だから例えばユニットバスを作っている会社やリフォームの材料の会社から、うちはこれだけたくさん買うからおまけしてねって、安く仕入れることができるんだよ。

アール:なるほど。ユニットバスの会社やリフォームの材料の会社は、一つずつの商品の利益が少し減っても、たくさん買ってくれる方がいいもんね。

大崎:でも、さっきも話したけど、大きな会社は大工さんの給料以外に、お店や大きなビルの家賃や、広告の費用や、営業マンやお店で接客するきれいなおねーさんの給料を払わなくてはいけないから、それをどこかで稼ぐ必要がある訳だ。

アール:そうか!そうするとユニットバスが安いからって、そういう会社にリフォームを頼むと、家賃やきれいなお姉さんの給料や広告のお金は、お客さんが払うことになるってことだね。だからうちの社長みたいな大工さんが安いんだね。

大崎:そのとおり。でも実際は全部が全部そうなるとも限らない。だから馬場さんみたいに事前に金額を調べるのはとてもいい考えですね。

 

望まれているのは、何でも話せる信頼できる「職人」

石原:金額ももちろん大切だと思いますが、大工さんや職人さんの人柄というか、どれだけ気楽に話ができるかということも大切だと思います。実はうちの奥さんは神成さんに会う前は、職人さんは怖いというイメージをもっていたのですが、神成さんに出会ってからは何でも話せるってすごく喜んでいるんです。人柄なんでしょうか、安心感を持てるんでしょうね。今では“おかかえ大工さん”っていっていますよ。

神成:ありがとうございます。確かにいろいろお話を聞かせていただいて大変助かっています。お客様からいろいろお話を聞いているうちに、そのお客様の考えていらっしゃることや気持ちなども分かってきますから。

石原:こちらの考えや気持ちまで分かってもらえたら本当に安心ですね。

 

意味不明、職人がお客様と話すことを禁止するリフォーム会社?!

大崎:この間、大きな会社にいた知人から聞いた話ですが、大きな会社の中には職人にお客様と話すことを禁止しているところがあるそうです。

アール:えー意味不明。なんで?

大崎:ほんとに不思議だね。そういう会社には営業マンがいて、お客さんに出した見積書もその営業マンが作っているから、職人とお客さんが直接話して見積書と違う作業をされたりしたら見積もり金額やスケジュールに影響が出る可能性があるからっていうことです、

アール:それじゃあ、お客さんは毎日家で仕事をしてくれている職人さんと仲良くしたらいけないわけ?職人さんだってここどうします?って聞きたい時もあるんじゃないかなぁ。それが禁止なんてなんだか変。

大崎:職人もお客さんも、話したいことや確認したいことは、営業マンに言うんですって。そうすると必要な場合に営業マンが現場にくるらしいです。

馬場:でも営業マンは大工じゃないんだから、家のことなんかわからないんでしょう?

大崎:ですね。

馬場:そんな会社には絶対頼みたくないね。だいたい営業マンが作った見積だって信用できない。トラブルだって発生するでしょう?

大崎:しますね。でも営業マンに言っても話がわからない。実際に工事をした職人ももう次の現場に行っているから話ができない。営業マンは怒られたり給料が下がったら大変だから上司にどう報告しようかを考えてる。職人だって別の現場の工事が遅れたら会社に怒られちゃうから関わりたくない。そうなったらもう、お客さん置き去りですよ。

アール:絶対おかしいですよ。だってお金を払うのはお客さんでしょ。大工さんはそのお金をありがとうございますってもらうんだからお客さんが一番偉いんでしょ。

そうか、わかった。そういう会社の人はお金をもらうのはお客さんからじゃなくて、会社から月給をもらっているから、お客さんのこと一番偉いって思っていないんだ。

なんだかお客さんがかわいそう。

大崎:アールくん。そこまで言ったら失礼でしょ。

馬場:自分の家がそれで変なことになって、お金だけしっかり取られるなんて。考えただけでも恐ろしい。

紹介が安心。でも、する方も、される方も責任重大

馬場:いろいろ考えると、やっぱり紹介が一番だね。

アール:紹介ってなんですか?

馬場:リフォームしたいと考えている人に、この大工さんがいいですよ、絶対オススメですよって知っている大工さんを教えて上げることだよ。

アール:ふーん。でもその大工さんが良くなかったら嘘つきになっちゃうね。

馬場:そりゃそうですよ。責任重大ですよ。もし変な人を紹介してしまったら嘘つきになるし、その人の家がきちんとリフォームできなかったら大変な迷惑をかけてしまうからね。でも、神成さんは、会社は大きくはないけれど本当にお客様のことを最優先に考えてくれるからね。

アール:神成さんすごいプレッシャー。

神成:う、うん💦。でも馬場さんの顔をつぶすわけにはいかないからね。全力で頑張ります。馬場さんにはすごく感謝しています。本当にありがとうございます

職人専門出会い系サイト

アール:ねぇねぇ、出会い系サイトって何?

大崎:ちょっと、アールくんなんでそんなこと知ってるの?

アール:うちの社長が言っていたよ。職人専用のもあるんだよね?

神成:あー、リフォーム業者や職人を紹介してくれるWebサイトね。最近なんだか目につくんですよ。リフォームをしたい方が、リフォームの内容や地域、予算などを入力して自分がやりたいリフォームに合った業者や職人を紹介してくれるサービス、知りませんか?

一同:知ってます。見たことある。使ったことある。

大崎:それがどうしたんですか?しかし出会い系サイトって。確かに仕組みは同じだけど。

神成:なんだか新しいのが続々できているような気がするんだけど、結局そういうサービスは、ニーズがあるからできるものでしょ?そんなにニーズがあるんだろうかって考えているんだ。

アール:はい、お任せください。ニーズはあるのであーる。特に藤沢、辻堂あたりのいわゆる湘南エリアは、昔から住んでいる人で一戸建てに住んでいる人で、そろそろ築年数20-30年が経過する建て替えやリフォームが必要になる家に住んでいる人の割はが高いのであーる。

また、東京圏への通勤も可能なので、比較的所得も高い人たちの割合が高く、リフォーム業者にとってはまさにお客さんがいっぱいの超重要地域なのであーる。

大崎:へぇ、アールくんなんでそんなこと知っているの?それに口調が変だよ。

アール:えっへん。この前頑張って調べたんだ。自慢するときにこの口調になるの癖なんです。

だから、神成さんが目につくという出会い系サイトが増えているのかもね。

神成:つまり、リフォーム業者を探しているけど、どうやって見つけていいのか分からない人が大勢いるっていうことだね。

アール:別の見方をすると、家のリフォームや建て替えなんてそんなに度々あることではないので、普通の人は、例えば歯医者さんやクリーニング屋さんほど利用しない。つまり普段はリフォーム会社や職人は探さない。だからリフォーム会社も職人も、お客さんが滅多に探さないのにお金をたくさんかけてまで積極的に宣伝や広告を出す人は多くなくて、あとはだいたいこんなもんだろうって、なんとなく紹介や昔からのお客様のつながりでやってこれてしまったのですね。

神成:なるほど。それがここに来てリフォームをする人が徐々に増えて来たのに、相変わらず、気がついていない職人やリフォーム会社が多いので、困るお客様も増加中なんだね。そこに目をつけたWebサービス提供会社が次々に出会い系サイトを初めているという訳か。

大崎:じゃぁ我々は、もっと何か、お客さんにアピールすることとかをやらないといけないんだね。

神成:そうだね。リフォームは実際にやろうとしている人にとっては、失敗が許されない一発勝負の大仕事だよ。だから、本当はお客様がリフォームや工事を頼みたいのは、施工内容を言ったとおりにやるだけの「職人」ではなくて、自分たちの「気持」や「思い」まで理解してくれる、安心して家のことを任せることができる、信頼できる「職人」なんじゃないかと思うんだ。

アール:それを目指すために始めたのが「The職人」な訳ですね。今回は1回目のチャレンジということなので、これから皆さんのお知恵もお借りしながら何かできればと考えていますので、お力添えをいただけると大変ありがたいです。

このWebサイトを見て下さった方も是非ご意見やアドバイスなどいただけますようお願いします。

大崎: うーむ、見事なまとめ。とても子供とは思えない。

アール:おぉっと、皆さん。大変残念ですが、そろそろ終了の時間です。

本日は色々なことを教えていただき、ありがとうございました。すごく勉強になりました。

第二回は別の企画も検討中ですので、またよろしくお願いします。

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