鎌倉市小町事務所工事
ご依頼の内容
ホームページからのお問い合わせです。
場所は鎌倉の小町です。鎌倉の入口といえる場所で、いつも観光客でにぎわう人気スポットです。
その一本奥に入った路地にある建物が今回の現場です。
最初の現地調査でカーナビではたどり着けず、近くのパーキングに車を止め、付近でうろうろしてたら、お施主様からお声をかけていただき現場にたどり着きました。
木造の戸建てで1Fは事業者様向け事務所で今回の工事は2F。
既存は5部屋のシェアハウスで、1Fと同じ様に事業者向け事務所への改修工事。
まず、感じた事は2F全体の空間が昭和初期?大正?時代かと思う程、いい意味での良き古きで感じさせる、建具、床、壁の感じです。
外観を見る限り、内観はわざと古く観せる遊び心的な感じに仕上げたと気付きました。
一言で言うと和風アンティーク仕様なので「THE鎌倉」です!
作業概要
●大工、建具、工事
【before】
【after】
まず、お客様と打ち合わせです。間仕切りの変更、建具も古き良きものを使用して、それに対する枠なども勿論、色、雰囲気、2F全体を昭和初期の空間に仕上げる、こだわりの昭和初期へのタイムスリップリフォーム!
着工です。まず4か所壁の撤去です。その時になるべく補修が出ない様にあらかじめ、建具屋さんと打ち合わせをして、古建具の寸法から鴨居の高さ、縦枠の寸法、幅、位置などを計算し、墨だしして問口。
※ケーシング枠にして枠廻りの補修無しで納めました。
次にこの工事の一番のメイン!納戸の部分です。納戸の間仕切りを脱着式にしてほしいとの要望でした。
柱の内々に約W800×H2000の建具を7枚造作、上枠にはまる様に溝。下は床にレールを取り付け、それにはまる様に溝を上下に設けて、建具の中間に金物(取手)を取付け、1人でも簡単に脱着出来る様な仕様に造りました。
建具7枚外した時は納戸とキッチンとの約12.78㎡が一つの空間になり、居心地の良い広いスペースになり。取り付けたときは納戸、約7.45㎡とキッチン5.33㎡が別々の空間になり会議室は集中できる仕事部屋となります。その時の仕様に応じてへやを変化させる事が出来ます。
●塗装工事
建具は古建具(昭和初期の物)で※漆塗り(うるし)された物で、それに対して枠材(杉)壁材(ラウンべニア)などは今現在の物を使用しているので古くないです。それをわざと古く見せる※エイジング塗装で仕上げます。木の材質、明るさなど見て色を調合し、色付けして、ペーパーで落とし、更に古ぼかした色付けをしたりして、完璧な昭和初期の仕上がりになりました。
工事を終えて
全ての工事が終わりお施主様へお引き渡しいたしましたところ、想像以上の出来あがりと大変よろこんでいただきました。
その数か月後とある法人が入居されたそうです。良かったです。
●現場付近のグルメリポート
今回の工事中に昼食は観光地という事でかなり迷いました。現場から徒歩3分程の所にあるキャラウェイというカレー屋さん。
いつも昼時は行列だったので11時30分頃の早めに行ったところ待たずに入る事が出来ました。
注文はビーフ、ごはん少なめ!※(普通だとかなり多めです)
とても美味く行列が出来るのも納得出来ました。※ちょっとご飯がゆるいかなぁ
また近くの現場の時に食べに行きたいと思います。
用語解説
※ケーシング枠
窓や室内ドアに取り付ける仕上げ材。L型の部分に内装の仕上げ材を少し入れ、納まるように取り付けるため、前面から見ると枠が額縁のように2段に見えるインテリア性を持たせる場合に使用され、正面から見たときの窓枠の幅が広くなるので重厚感がある。
※漆塗り(うるし)
ウルシ科の落葉高木より採れる樹液から作られた漆材を器などに塗る仕上げ技術
アルカリ性、酸性、水分、熱に強く、丈夫に仕上がる。独特の光沢が美しい。
※エイジング塗装
家具や建具の表面に重ね塗りを施したり、塗膜をわざとはがすことによって、アンティークのような古めかしい風合いに仕上げる工法。