湯河原町、昔ながらのこだわりの日本家屋の改修工事
ご依頼の内容
神奈川県の最西部に位置する湯河原町は、熱海や箱根と並んで手軽に温泉旅行を楽しめる町として多くの人に親しまれています。新幹線が停車し駅舎も近代的なビルにリニューアルしたお隣の熱海や、芦ノ湖や大涌谷などの雄大な景観の観光地を擁する箱根とは異なり、駅前に昔ながらの土産物店が並び、なんとなくほっとさせてくれる静かな佇まいの湯河原は、旧き良き時代の温泉街を愛する粋人に
とっては堪らなく魅力的な街です。
湯河原の駅前を海側から国道75号で西に向かうと昔ながらの温泉街があり、ほどなく現れる現在建設中のエクシブ湯河原離宮(※1)を見下ろす山にあるのが今回の現場であるお客様のお宅です。
築30年の在来工法で建てられたお宅とお聞きして伺いましたが、まず、驚かされたのは左官の技術の高さでした。基礎、玄関土間、ポーチには洗い出し(※2)、外壁は掻き落とし(※3)、縁台部分のコンクリートには切り株の模様など、昔ながらの凝った日本建築の高い左官の技術が随所に見られる戸建建築です。最近の住宅ではここまで凝った左官工事は滅多に見ることはできません。
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お風呂の入れ替え工事(ユニットバスに入れ替え)
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フロア張替え(玄関)
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フロア上張り(リビング、キッチン)
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断熱材、インプラス(インナーサッシ)設置工事
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和室床補強工事
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外壁工事
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給湯器取替え工事
作業概要
●まずはお風呂の改修工事です。
やはり、ここでも左官の技術がふんだんに取り込まれていて、かなり凝った作りになっています。
逆にそのせいか漏水が見られるようですのでユニットバスへ入れ替えます
解体工事!頑丈に出来ていて、いつもの在来のお風呂の解体の3倍の手間がかかりました。
既存のお風呂場の寸法が1640mm✖2240mmとかなり大きめですが、その寸法にできるだけ近くしたいというご依頼をいただきましたので、いろいろお調べし、タカラのピッタリサイズレラージュを入れることに決まりました。
壁クロス、クッションフロアー張替え工事も行いました。
このお客様のお宅のお風呂は、落とし込みで温泉が引いてあり、ユニットバスに入れ替え後も引き続きご利用になることを前提にした工事です。浴槽は人造大理石、その他の金属部品などは、温泉の成分によっては多少の影響がある可能性があり、変化が見られた場合にはその都度対応させていただくということで、ご了承をいただき工事を行いました。ご自宅の真新しいお風呂で毎日温泉を楽しめるというのは本当に羨ましい限りです。
●玄関のフロア張替え、リビングのフロア張り(上張り)工事です。
改修前には床下に断熱材が入っていませんでしたので、床下に潜り込み断熱材(フクフォーム)を入れさせていただきました。
また、リビング掃き出し窓2箇所と出窓、あわせて3箇所にインプラス(インナーサッシ)を取り付けました。
●外壁は浴室、洗面所の2ヶ所サッシ交換に伴い外壁の左官工事と塗装工事も行いました。
工事を終えて
●2週間ほどの工事でしたがお客様にもご満足いただき、無事終了しました。
●お客様は、今まで横須賀にお住まいで、今日、湯河原の戸建住宅へのお引越しです。お引渡しが11月半ばで、これから冬本番です。今回の工事で、冬の湯河原の寒さを乗り切っていただきたいと思います。
用語解説
※エクシブ湯河原離宮
エクシブは、リゾートトラストが管理・販売を担うリゾートホテル。
全国各地にあるホテルは、オーナーである会員、およびその紹介者のみが利用可能な会員制ホテル。
※洗い出し
洗い出し仕上げとは、種石を練り合わせたモルタルを上塗りし、それを洗い出して、自然な風合いを再現しようとするもの。混入する種石の大きさや種類によって多彩なテクスチュアを得ることができるとともに、プリミティブな質感と肌合いが表現できる。さまざまな建築物に幅広い用途が見いだせる仕上げである。(出典:http://www.nissaren.or.jp/464)
※掻き落とし
「荒らしもの」仕上げの一種で、表面をブラシなどで掻き取り、素材の質感を豊かに表現するもの。一般に、混入された骨材の粒度が大きければざっくりした表情になり、逆に小さいとしっとりした表情になるとともに、掻き取り量の多少により風合いに微妙な変化をつけることができる。(出典:http://www.nissaren.or.jp/455)